小さい頃はサンタクロースの存在を信じているものである。私はいつまで信じていただろうか。たぶん、保育園の頃までだ。私が保育園に入園したのは三歳の時。今でも入園式を覚えている。私より一つ年上の幼なじみ、ター君の隣に座っている記憶。その年のクリスマスは衝撃的だった。クリスマスの装飾でにぎやかな体育館に集められた子供達。先生「今日はサンタさんが来ますよー」子供達が歓声を上げる。先生「サンタさんはいそがしいのに来てくれるからみんなこれだけは約束してね。じゃないとプレゼントはもらえないよ」と、子供達に軽い脅し。話を聞く子供達の表情は真剣そのものだ。その中で私と幼なじみの稔君は外を見ていた。なぜだろう。保育園の門の辺りを眺めていた。そこへ一台のタクシーが。ドアが開き、降りたのは―――サンタだった。白い髭の生えてる赤い服の人。タクシーでやってきたサンタクロース。あの時外を見ていなければ、私はもっと純粋な子供だったかもしれない。今更か