私の実家の隣には空き地があった。そんなに広くない、松が生えていた空き地。祖父の土地だったのでうちのトラックや資材の置き場になっていた。父が仕事で使う砂利なんかが山積みになってたり。県道に通じる抜け道に面しているので意外と車が通る。小学四年の頃、近所に住む数少ない女の子の一人が遊びに来ていて、空き地で遊ぼうということになった。その時の空き地に積まれていたのは大量の砂だった。高さ一メートル位にこんもりと。当時から悪知恵が働いた私、頂上に適当な棒を挿し、その辺の花を数本置いた。そしてその女の子に泣きまねをさせ、私はその砂山に顔を伏せてこう叫ぶ。
「ラッキーが死んじゃったぁぁ!」
うわーんと泣きまねをし、通る車にアピール。通る車通る車チラチラ見てる。中には減速して見てる人もいる。やったね!と目配せをし、ますます泣きじゃくる。と、泣き声を聞きつけてそこにやってきたのはうちの祖母。鬼の形相の祖母。ものすごい追いかけられた。